ただし数学、おまえは抜きだ。
化学を中心に、理科が好きです。そう認識するようになったのは、高校に入った頃でした。
理科に触れていると、なんとまあ、この世の中はよく出来ていることか、とそのシステムの精緻さに感動を覚えることがしばしばあります。また一方で、まるで絵本のようなファンシーなコンセプトが、驚くほどに世界を変えてきたことも多々あります。
理科という素敵な世界を、もっとフランクに楽しめたらいいのに。
その願いは、数学嫌いの私にとって、ずっと切実にありました。
中学受験算数が数学に変わるころから、数学への苦手意識はどんどんと育ち、高校生の頃には手に負えないほどに肥大していました。大学受験勉強の時間の半分をほぼ数学に費やし、それでも上がらない成績と合格判定を横目でにらみ、どうにかこうにかやってきました。
そんな数学嫌いでありながら、「理系に行きます」と宣言すると、「だよね」という反応と、「えっ」という反応と、はっきり二分されていたことをよく覚えています。
この小難しくも楽しい世界を、数学抜きで語ることはできまいか。
ときおり現れる、心躍るような新しい話を、要点を損なわずに、やわらかくやさしく噛み砕くことはできないか。
企業研究者、教材編集者を経たいま、挑戦したいと思います。
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